よろぶん あにょはせよ〜

韓国ミュージカル「スモーク」
뮤지컬 스모크
1回目に行って来ました!
好きすぎてレビューが尋常じゃなく長いことを先に言っておきますよ!
好きすぎてレビューが尋常じゃなく長いことを先に言っておきますよ!

【シアター】
ミュージカル スモーク
大学路 リンクアートセンター
2023.11.15 ~2024.02.04

【作品紹介】
「ルードウィグ」「インタビュー」等多くの作品を手掛けている추정화 작가연출님と허수현 작곡가님の作品
振り付けは、김병진 안무감독님
振り付けは、김병진 안무감독님
韓国の詩人「イサン(李箱)」の烏瞰図詩15号をモチーフに制作したミュージカル
ダブルケイ制作
2017年初演 2023年で四演迎える
ダブルケイ制作
2017年初演 2023年で四演迎える
日本でも何度もライセンス上演されていて、2024年も1月から上演予定

【あらすじ】
「海は本当に不思議ですね。どうして、どんなに寒くても凍らないんですか?川は寒いと凍るのに」
「限りなく広く深いから...無限に生命が沸き上がるんじゃないですか?
絶対に凍ったり止まったりしないでしょ?」
絶対に凍ったり止まったりしないでしょ?」
海に行きたいという夢にあふれているヘ(海)は、悪いことだとわかっていてもホン(紅)を誘拐するチョ(超)に同調した。
しかし、ヘはチョが身代金を要求する電報を打つために出かけた間に、咳で苦しむホンをほどいてあげ、ホンはヘに歩み寄る。
「私を、覚えてないの?」
閉じた空間の中に、二人の男と一人の女
彼らは果たしてどんな秘密を抱えているのか?

【登場人物】(敬称略)
超(초)役 김재범, 정민, 김경수, 박정원
詩を書く者
世の中に対してただならぬ憤怒を抱えている
肺を患っている
海に行きたいという海を利用して「三越デパート」の令嬢(紅)の誘拐を主導する

海(해)役 손유동, 강찬, 홍승안, 박준휘
絵を描く者
海に憧れを持つも貧しさゆえ海に行くことすら叶わない青年
純粋で子供のような精神の持ち主
海と『友人』を描きたい一心で罪悪感を持ちながらも紅の誘拐に加担する
(박준휘 배우님は、追加キャストなのでこのポスターにはまだ出てないです)

紅(홍)役 김지유, 김청아, 장보람, 최지혜
心を読み解き抱く者
超と海が誘拐して来た令嬢
ポジティブ思考
超と同じように肺を患っている

【キャスト】
超(チョ)役 パクジョンウォン 박정원 배우님
海(へ)役 カンチャン 강찬 배우님
紅(ホン)役 キムジユ 김지유 배우님

当日40%割引タイムセール
『지구가 내 무게에 바스라진다』
(8. 추락하는 모든 것은 날개가 있다の歌詞)
チケットリンク用デザイン封筒

再観覧カード『烏瞰図カード』(鳥ではなく烏)
「烏瞰図」はこのミュージカルのモチーフになっている이상の詩

スタンプ4個で40%割引券
スタンプ6個でスペシャルフォトブック

この日は、当日キャストの未公開写真栞進呈デイ

元々해が손유동 배우님の日だったんだけどインフルエンザで강찬 배우님に急遽変更になったので、海だけ二人分入ってます。

裏には배우님手書き文字が印刷されています。
超 날기를 희망한 죄「羽ばたくことを望んだ罪」
海 그게 우리 글이라면 우리라도 그대로 사랑해 주자「あれが我々の文章なら我々だけでも愛してあげよう」(강찬)
海 넌 그제서야 깨달아 내가 아무것도 아니라는 걸「お前はそうなって初めて悟る お前が”なんでもない”ことを」(손유동)
紅 날개야 다시 돌아라 날자날자날자 한번만 더 날아보자 한 번만 더 날자
「翼よ、もう一度飛ぼう飛ぼう飛ぼうもう一度飛んでみよう。もう、一度だけ飛んでみよう!」

2020~2021年三演OST
【ネタバレなしレビュー】(ネタバレレビューは一番下に書きます)
観覧もしていないのにOSTを持ってるくらい「スモーク」のナンバーが好きで
最初に観覧できたのはイエス2館で上演した三演オンライン録画中継
その頃は「内容はよくわからんが、やっぱり허수현 작곡가님って天才!!」って感想だったんだけど、リンクアートに来て、セットがよりミラーハウス的になって小道具もモダンになって、背景の映像レーザー視覚効果もじゃんじゃん追加されて、今までよくわからなかったところが視覚的にものすごくわかりやすくなってる。
全体的にセリフ部分のテンポがゆっくりになってて、理解が追いつきやすくもなってる気がした。
2017年の観客との対話で추정화 연출님が「鏡のシーンが観客から見て最もそれらしく見えるか、全部門監督全俳優が協力してくれてできた」と話していたけど、今年のシーズンもこのシーン力入ってるなー!!!!って思った。
これをみるだけでも韓国に来る価値がある。
舞台装置や照明って本当にすごく大事なんだな〜!
よくわかんない暗い劇だと思ってたのに、こんなに温かい作品だったなんて。
オープニングとエンディングも映画かよ!!って思うくらいかっっっっっっこいいの!!
ほんと、ぜひこの舞台見て!!
写真とか動画では絶対伝わらないと思う!!
いつもハラハラする台がまえより低くなってて、安心して見られるよ。

「スモーク」といえば、難解な「ソウルの中、恵化の中〜」という開演前の案内メントが有名ですが、この日は超の박정원 배우님
たまたまなのかご年配の観客が多く途中まで笑いも起こらず心配したんだけど、「頭ではなく心で理解してください」のところでちょっと笑いが取れて会場の空気が柔らかくなったので良かった。
강찬 배우님の海が前シーズンよりうんと可愛くなってて、
超が原稿を捨てようとするシーンで「お前が捨てるなら、僕が拾う。お前が捨てて、僕が拾ったんからこの言葉たちは僕のものだ」って頬を膨らましてぶーってなるのが可愛くて
紅が自分を子ども扱いするのに対して「僕も大人だぞー」ってわざと背伸びして見せたり、「できるしー」って感じでやって見せたり、レコードの曲をカッコつけて口ずさんだりと可愛くて可愛くて💕
これ、わざとギャップを見せてるんだよね。
강찬 배우님がピアノに倒れるシーンで、「ミシッ」て嫌な音がしてピアノの椅子が折れちゃったのよ。
この後、超と紅が海を巡って口論する10分もの間、椅子の上で寝てないといけないのに💦
김지유 배우님も察して腰を浮かせて椅子には座らず、はらはらしたけど
でも、10分間椅子は揺らぐことも倒れることもなく耐え抜いて海が起きた時は
私の隣両方とも衣食住さん(かんちゃんぺうのファン)だったんだけど一気に安堵。
3人とも退場のないシーンだから耐えるしかないよね。

この作品は、セリフも歌詞も秀逸なんだけどそれプラス名優揃いなのも最高な要素
紅の「たかが、文章」のセリフに失望する박정원 배우님が会場の温度が下がったのかと思うほど、凍りついてた。
”이깟 글”は、絶対に言っちゃいけないってわかるのに、ここでそのセリフもってくるのすごくない?
紅じゃなかったら、絶対言えないし言っちゃいけないセリフだった。
それ以外にも心にセリフが刺さってくる
「7ヶ国語を操るだって?1か国語でもまともに話せる国が私にあるか?」
「意図があったらどうだというのだ、読み解く者などいないのに」
「自分から飛び出る言葉を書き写すのに必死で句読点に気を配る余裕はない」
これを「彼」が言うのよ。
추락하는 모든것은 날개가 있다
墜落する全て物に翼がある
の歌詞とかもう最高すぎる
是非是非、肉眼で見てほしい。

【ネタバレレビュー】
観覧前の方はここでUターンしてくださいね。

題名が表す「スモーク(煙)」の通り
このミュージカルのモチーフが오감도であるように
날자날자날자 한번만 더 날아보자 한 번만 더 날자のセリフのように
김해경は、イサンは、超は、海は、紅は、空高く飛び上がりたかった。
でも、時代は彼らにそれを許さなかった。
김해경は両親に捨てられ、親戚の養子になり学校を主席で卒業し、朝鮮総督府内務局建築技師と他人が見たらうらやましがる職に就いても家族の誰も彼に見向きもしなかった。
仕舞いには、結核にかかり余命いくばくもない。
家族を恋しいと思う気持ち、認められたいという欲望全てを手放すしかなかった境遇。
書いた文章は、検閲官から「削除しろ!」と赤線が付いて突き返され、世に飛び立つことができない。
「俺は20世紀をむかってるのに、やつらは18(w)世紀に向かってる!」
でも、超は自分で死ぬことができない
なぜならば、本当の金海卿は海だから
ゆらゆらした実態のない存在、スモーク
超は、海の鏡に映った文字を書く人格
海が鏡の中の超を引き摺り出し、自分の辛い境遇、寂しい過去全部を押し付けた犯人
海が金海卿に戻って、自分で自分を殺さない限り本当の沈黙は超にやって来ない。
(この二人が入れ替わるシーンが鳥肌演出)
紅は、「きっといつかわかってくれる」「いつか誰かに届く」って言い続けるんだけど、金海卿には慰めは苦痛であり、希望は絶望を呼んでくるから紅を心の奥底に仕舞い込んでしまった。
さっき言ったようにかわいい幼い海が金海卿に戻った瞬間のチェンジが鳥肌
金海卿に戻った海が超を見る時の瞳が、「もう全部わかってるよ」って感じで暖かくなるの〜😭
超のために自分を終わらせようとするも紅の「あなたも海なのよ、私たち一緒にいきましょ」に揺れる超
紅だって自分の一部だから、死にたくないって気持ちだって本物
(ここの鏡が割れて飛び散るシーンの演出も最高)
この「あなたも海なのよ」のセルフを聞いた後に、超役だった장지후 배우님の海の写真を見たら
「あぁ、超の海ってこんなに黒くて美しいんだな」って泣きそうになった。
拘置所から釈放された1ヶ月後、「千疋屋のメロンが食べたい」と言い残して亡くなったイサン
それは知っていたから(ミュージカル「ラフへスト」)
「煙のように飛ぼう!飛ぼう!飛ぼう!書き続けよう可能な限り!それ以外にできることもないから」
「煙になって海までたどり着いたら、海は何色で私を迎えてくれるだろうか?」
「ありがとう、超。ありがとう、紅。」
が、もう残りいくばくもない海がこう言えたことが悲しいけど温かい気持ちになる。


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