よろぶん あにょはせよ〜

韓国創作音楽劇「島 1933〜2019」
음악극 섬 1933~2019 
2024年-1回目
に行ってきました。

前置き長くなりそうなので、あらかじめ言っておきますが、
この6月に絶対見なきゃいけない作品はコチラです!

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【シアター】
音楽劇「島 1933〜2019」
𝟐𝟎𝟐𝟒.𝟎𝟓.𝟐𝟐~𝟎𝟕.𝟎𝟕
国立貞洞劇場




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プレビュー記念割引40%割引
チケット台紙進呈デイ

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チケットを挟むとこんな感じ

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下に書いてあるのは、M10. 우유 한잔の歌詞一部
’따스한 우유 한 잔,그 한 잔의 사랑에 하루를 시작해’
「暖かい牛乳一杯、その一杯の愛に一日を始める」


マリアンヌとマーガレットが早朝から作って患者たちに配っていたあたたかい粉末牛乳。
一番好きなナンバー💕

섬のDMには、ハンカチがあるので買うつもりで行ったら開幕3日目にしてなんと完売
(再度入荷予定)
MDに「ハンカチ」を売るというくらいですから、ハンカチ必須劇なんですよ。
ちょうど劇場の前でマルシェをしていたので、ガーゼハンカチを買いました。

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【作品紹介】
大学路で根強いファンを持つ
장우성 작가님,이선영 작곡가님,박소영 연출님が結成した「声プロジェクト」が届ける2つ目の『声』

歴史上の実在人物にスポットを当て、忘れられていたり知られていない声を届ける「声プロジェクト」
第一弾は、労働運動家のチョンテイル선생님
第二弾が、マリアンヌ간호사님、マーガレット간호사님
第三弾は、韓国女性初の法曹人の百人堂 이태영 변호사님

1966年から2005年まで小鹿島でのハンセン病患者を献身的に支えたオーストリア人修道女、マリアンヌ・ステガーさんとマーガレット・ピサレクさん
二人の看護師の物語を中心に小さな届かない声を届ける

「島:1933〜2019」は、2019年初演 2024年再演

ロビーには、マリアンヌ・ステガーさんとマーガレット・ピサレクさんの当時の活動を記録した写真が展示されています。

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【あらすじ】
ペクスソン(1933年〜)
日本統治下の小鹿島、癩予防法を根拠にハンセン病患者を強制移住。
治療が受けられて、家も用意してもらえるという方便を信じ自分で訪れる者もいた。
ペクスソンは小鹿島更生院でパクヘボンとささやかな愛を育む

マリアンヌとマーガレット(1966年〜)
小鹿島にオーストリアからやってきた二人の白衣の天使
二人の献身的な愛で患者は人生の希望を取り戻しハンセン病に有効な薬も開発され患者に対する人々の意識も変化する。
人々に「大きなおばあちゃん」「小さなおばあちゃん」と呼ばれ親しまれていた二人は、老いにより十分な看護ができないことを理由に感謝の手紙のみを残して、来た時と同じ鞄一つで島を離れる

コジソン(〜2019年)
2009年ソウル、難産の末にジウォンを出産する。ジウォンは、1歳になると発達障害の診断を受ける。
発達障害児の母になったことに戸惑い、治療と訓練に極度に傾倒する。
しかし、そのようなジソンの努力を嘲笑うかのように社会の視線は冷淡である。

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【キャスト】
マリアンヌ&コジソン役 #チョンヨン #정연 배우님
マーガレット&ペクスソン役 #チョンインジ #정인지 배우님
声たち役
#박슬기 배우님 #임별 배우님 #이예지 배우님 #신진경 배우님 #박세훈 배우님 #이민규 배우님 #고철순 배우님 #윤데보라 배우님 #임진섭 배우님 #김승용 배우님
パクスルギ イムビョル イイェジ シンジンギョン パクセフン イミンギュ ゴチョルスン イムジンソプ キムシンヨン

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キャストボードの横にある掲示
ハンセン病患者は治療法を発明した医師アルマウェル・ハンセン先生に対する感謝の気持ちを込めて「ハンセン인」と呼ばれることを望む

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下の部分に書いてあるのは、
社会部政治部記者だった筆者が、発達障害児の母として道で障害者に遭遇したときどのように対処すべきかわからない非障害者のために書いた『사양합니다, 동네 바보형이라는 말(遠慮します。近所のアホにぃという言葉)』からの引用が書いてあります。
この部分を訳すると、ネタバレになるので必要でしたら個別にお尋ねください。

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この物語の舞台は、全羅南道コフン郡の小島「小鹿島」

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子鹿の形をしているから小鹿島と呼ばれていたそうです。

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日本では1907年に制定された「癩予防に関する件」に基づいて日本全国に五か所の国立療養所を開設。
1931年になるとこの法律が改定されて日本中のハンセン病患者を療養所に隔離できる根拠となる。
その後、治療法も見つかり、感染力も低く簡単に治る病だとわかった後も患者の行動は制限され続けた。
この「らい予防法」が廃止されたのは、なんと1996年。
2024年現在になっても隔離に肯定的な意見が聞かれるほど根強い偏見の温床になっている。
「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟で、2001年に小泉元首相が熊本地裁の1審判決に対して控訴をせず原告団が勝訴したことが大きく報道されました。

韓国では、1916年に同じ法律を根拠に小鹿島から元住民を追い出して「小鹿島慈恵病院」を開設
周防院長が主導し銅像を建てさせたり、毎月の参礼を強要したり
断種、病の身での強制労働、職員による暴力など過酷な生活を強いられた。

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劇中で公園解説員(この人はヨンジャの兄パクソンボン)の「ここが中央公園ですよ」というセリフがありますが、当時の施設を博物館や展示館にして保存している公園のことです。
開発の手がほとんど入っていなかったので、緑豊かな自然を感じられます。

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現在の美しい小鹿島の様子👇




【レビュー】
박슬기 배우님がYouTubeのトークショーで「今、섬の練習中で」とおっしゃったことから、「どんなお話なのかな?」と調べて「女神様が見ている」の이선영 작곡가님と박소영 연출님の作品とわかって「絶対プレビューで行く!」って決めていた作品。

この下の写真は、小鹿島に設置されている遊歩道から見る海なのですが最初の曲からこの海が思い出され「なんだよー😭1曲目からクライマックスじゃんかー😭」と号泣。
でも、劇を見る前の予想とは違う感じに物語が転がっていく。
脚本、演出、音楽の全てが調和してて美しい芸術品
なぜ、「音楽劇」なのか、とても納得の行く

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最初の主人公、ペクスソンは、「小鹿島は地上の楽園」という言葉を信じて療養してもらえると島にやってくる。
この時代のシーンの照明は暗く青く紅い。
そんな中でもスソンは明るくハンセン人同士支え合って、「누님」と慕ってくれるヘボンとささやかな愛を育む。
ここでは結婚はさせてくれるが、断種をしなくてはならないことに葛藤する。
ヘボンは、ジンソプ배우님なんだけど、ゴムシンに苦しんでる누나に靴を買ってきてくれたりほんと可愛い年下男子💕
(島での労働の対価は、島内でしか使えない貨幣で払われる)
ジンソプ배우님が저 눈이 좋다니까요~!저 누님 좋다니까요!って💕
二人の愛情シーンと형님の別れのシーンは秀逸

スソンはその後、生まれてきたソンボンとは離れ離れで暮らすことになります。
この下の写真は、隔離地域に暮らす父母と未感染の子供達の月1回の面会の様子。
当時、職員地帯と療養地帯は厳密に区切られており、ここはその境目。
子供達は風上に、父母は風下に立っている。
我が子に食べ物をあげることも、抱きしめることもできない。
だから「愁嘆場」
列の終わりが見えないくらいずぅーと先まで続いている。


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「そんなとき天使が現れたんだ。金髪の天使が」と客席通路に照明があたってマリアンヌとマーガレットが鞄一つを持って舞台に向かって歩いていくのが本当に天使が降臨するみたいだった。
(下手階段がマリアンヌ、上手階段がマーガレット)
マリアンヌとマーガレット時代のシーンは、常に暖かい色の照明で二人が当たりを照らしてるみたいなの。

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二人と一緒にみんなの療養にあたるのはペクスソンの娘ヨンジャ。
박슬기 배우님!!
本当に「声」という役割がぴったり!
박슬기 배우님の声ずっと聞いていたい。
この現実はものすごく過酷なんだけど、ナンバーに癒される。




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コジソンの時代にやってくるともう私たちの日常なので、ドンピシャですよ。
説明するまでもない。
俳優さんが人間で登場する時と人間じゃない時と動きが違って、「なにこれ、すごすぎる」ってなる。

公式SNSの人物関係図を見ないで行ったので、ジソンがお兄さんと喧嘩するシーンで「?!」ってなって「わー!」ってなったので、見ないで行くのが面白いと思いますw

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劇中の時間が1933年、1966年、2019年と時間通りに流れるのではなくて、33年だったり急に19年になったり66年になったりするので、最初は混乱するんだけど全部の話が繋がっているからナンバーに身を任せていれば大丈夫!

時々、劇中の登場人物たちが観客に向かって語りかける。
その度に私たちは小鹿島を訪れた人や地域住民説明会の参加者となります。
これが間に挟まることで、最後のジソンの叫びがより心に届く気がする。

私たちが「普通」だと思っていること
私たちが「違う」と感じること

もう一度自分に問いかけて

自分のできることをしているか
最前を尽くしているのか

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カーテンコールが終わると、スクリーンにこのような言葉が浮かびます。

불멸의
희망은 보여져야 한다
희망은 느껴져야 한다
희망은 실현 가능해야 한다
우리 모두는 희망으로 살아야 한다


希望の中で生きよう!!





2回目レビュー






出演俳優さんたちが「섬」がどれほど素晴らしい作品か熱弁している動画👇






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