よろぶん あにょはせよ〜
韓国創作ミュージカル「紅蓮(ホンリョン)」
뮤지컬 홍련
に行って来ました!
今日は、大大大好きな「紅蓮」の歌詞を私なりに解釈して私の個人的な感情をだらだら書いたネタバレレビューです。
ホンリョンは結末を知っていても良い作品ですが、初回は知らずに見ていただくのを推奨します。
ミュージカル『紅蓮』のネタバレなし基本情報はこちら👇
2024年初演版OST

ここから下はネタバレレビューです。
閲覧ご注意ください。
『天と地が別れた日 この世の規律が生まれた
愛で生きること お互いを尊び愛すること』
これがこのミュージカルの全て

この物語は、世の中のすべての『閉じられた社会での暴力被害者とその側にいた者』に対する愛と赦しの歌
01「담장 안 소녀」で
「どうしたら、私の話を聞いてきれる?
塀の中でなにが起きてるかなんて興味ないんでしょ?
今こそ、私の話を聞け」と歌っている
02「재판의 시작」が始まると
死神の中間管理職カンリムがこの審判がどういうものなのか説明してくれます。
このナンバーの歌詞が後々全てのトリガーになっている。
観客は「この審判を見に来ている立会人の神(幽霊)」であるとカンリムがいいます。
「や〜こんなにたくさんの神に見られると緊張しますねぇ〜」なんていいながら。
これは私たち観客もこの審判と無関係ではないことを示している。
そして、ここは三途の河原である
普通なら「三途の河原で審判??閻魔様じゃなくて?」って思うじゃないですか。
そこをカンリムが「我が上司閻魔大王様ところへ行けば、地獄へ行くなり天国へ行くなり転生するなりできるんですけどね。閻魔様の元へ行かずあの世の規律を揺るがす魂が時々いるんですよ」って愚痴る
カンリムは、閻魔大王の指示で黄泉の規律保持のためにここにいるわけです。
神としての位の違いはあれど、バリ姫に指図される立場ではないっと「チクっと」釘を刺しているんですね〜。
ホンリョンが審判に引っ立てられて来ます。
罪名は「父親殺害と弟への傷害」
ここで、観客は(え?私たちが知っている物語と違う?)となる
カンリムは「ああ、みなさんはこう思ってますよね、薔花紅蓮事件の被害者中一人だと」
この世のルールは「愛」これに反していれば皆「有罪」ですから
父を殺し弟を傷つけ三途の河原を彷徨っている亡者が『有罪』なのは火を見るより明らかだ
とこの審判自体を茶番だと嘲笑う紅蓮
最後に、魂の道案内人で癒しの神 バリ姫が登場
バリ姫を見た紅蓮は「あ〜バリ姫ね」とういうリアクションをします。
死神たちは驚いて「姫をしっているのかい?」と
紅蓮はケロッと「当たり前じゃない、親孝行の代名詞バリ公主さま。みんな知ってる有名人じゃん」というのですが、ここも(ああ、覚えていてほしかったんだ)とじわっとくる
バリ姫は「壊れた記憶と幻覚を全部洗い流してあげる」と悲痛な内心を歌います。
姫の様子を伺ってカンリムが「ご機嫌斜めですねぇ」と声をかけます。
「最近、彷徨う亡霊に対して慈愛なんていらないって私の仕事を軽くみるやつがいてねぇ」とカンリムをチラリと見ます。
カンリムは「そんなことないですよ〜。規則どおりに〜」って言い訳をしますが、この部分が次の「これが亡霊のための三途の河原で最後の審判になるだろう」というセリフに繋がっていきます。
この後にも
「これが最後なんだもの」
「まだ終わりじゃない」
「最後なんだから最後まで」
と「마지막」というキーワードがなん度も出て来ます。
この裁判は、三途の河原で行われる亡者のための139998番目の審判だとバリが宣言。
03「피고 홍련」
カンリムと月直、日直によるホンリョンの生い立ちを死神目線で語る
このナンバーの軽快なリズムと内容の格差にジワる
両班で地方官であるペムリョンと家門の連中は、男児を熱望していたが生まれたのは双子の姉妹
死神トリオは、生母のチャンオクヨンを迎えに来た時に双子の運命を憂う
(뻔한 운면/산모의 소리 없는 곡소리)
数年後、16歳の魂を迎えに行くとまたあの家だ
みんなが蓮池をのぞいている
予想が当たってしまったと嘆く死神たち
ペジャンファ ペジャンファ ペジャンファ
韓国の死神は、死者の名を3回唱える
この時、薔花は息を殺して泣いていたと三人は言います
1年後、出動することになった死神たち「またあの家か!」
死神たちは、姉の事件の真相を知ってしまったのだろうと落胆する
紅蓮は、私を助けて、私を救ってと懇願したと。
しかし、死んだ時の記憶を失っている(自分で破壊した)ホンリョンは、
「何バカなこと言ってんの〜?」
「え?みんな私のことそんなふうに思ってたの?いや、ないないwwwww」と主張します

04「죽어야만 해」
そんな刀で解決するくらいなら、役所に訴え出るって方法はなかったのかというカンリムにカチンとした紅蓮は
「私みたいななんでもない人間が訴え出たなんてただのお茶の間の笑い話にしかならないのよ?」
「ねぇ、みなさん!どうしたらお偉い人たちに私たちの話を聞いてもらえるか知ってる?」
「化けて出なきゃいけないのよ!!」
現代に語り継がれている『薔花紅蓮伝』は、ほとんどが薔花と紅蓮が地方高官の枕元に化けて出て、調査が始まって真相が明らかになったと語り注がれているから。
所詮、私たちの物語は이야기 거리だと。
「なぜ、私がそんなふうに死ななきゃいけないの?!」
05「저건 내 딸이 아냐」
怒りにまかせ悪ふざけをして審判に非協力的なホンリョンに、このままでは今までと変わらないとバリ姫とカンリムは奥の手を出すことにします。
それは、父「ぺムリョン」が「あれは我が娘ではない。のももけに取り憑かれている。娘を取り返してほしい」と訴え出ているという訴状
私がやったの!私がこの手でこの男の首を落としたの!
そんなの自分が自分であるなんて証明どうやったらいいのよ?!
バリ姫は、「このままふざけて審判に協力しないならあの世の規律に従ってあの男の証言が通ってしまうわよ?審判に協力すれば、その証明ができると思うんだけど?」とあの手この手で説得する
06「과물」
ホンリョンは説得に応じて真面目に審判に参加することにする
「ペムリョン」の証人喚問
「我が娘は、親の言うことをよく聞いて静かで大人しくいい子なんですよ。姉や、母親とは大違いでしてね」と父親が姉を侮辱するのを聞いたホンリョンは「首を落とさずに顎を割ってやればよかった。その汚い口が姉さんの名前を語ることができないように」と怒りを露わにします。
「私がもののけなら、お前は家門に取り憑かれた怪物だ」
このナンバーは、父親に向けた怒りから一つ昇華して
「私がもののけで、あいつが怪物なら
ここにいるお宅たちはなんなんだ?
この世の理がたった一つ、愛なのだとしたら
16歳の少女(姉)がたった一人死に行く時、お前たちは何をした?!」
この時、당신들には私たちも含まれているのか!って心がひゅってなった
07「돌림노래」
돌림노래=輪唱
책임을 돌리다=責任転嫁する
そうよ!なんで私だけが罰を受けなきゃいけないのよ!
天が断罪しないから、代わりにやってあげたんじゃない。
私は無罪よ!無罪無罪無罪無罪!
と、天や父親、家門に責任転嫁をして無罪を主張し始めるホンリョン
だんだんカンリムは諦めモードになって来ます。
彼も当然これがこの子の最後の審判だと知っている。
この審判で記憶を取り戻し魂が洗われなければこの魂は取り返しのつかないことになる
死神たちが憂う中、いきなりバリ姫を挑発するようなことを言い出すホンリョン
「は!自分だって望まれなかった子のくせに!バリデギ?捨てられた子って意味らしいじゃない」
「自分を捨てた親のために地獄へ?偽善もいいとこだわ、エゴよエゴ!」
これに
「いままでこんなこと言わなかったのに」と絶望する死神
「いままでと違うということはきっと良い兆候だわ」と希望に目を光らせる姫
08「버려진 소녀」
バリ姫は自分の身の上を語り始めます。
昔話では語られないバリ姫の心情が歌われているのが印象的
「なぜ捨てられたのかしら?望まれなかったから?もしかしたら意図したものではなかったかも」
「そうよ、この男が私に土下座をするこのみっともない姿を見るために荊棘の道を涙しながら行って来たのよ」
「私の地獄なんて、三途の河原で彷徨う魂たちの苦しみに比べたら淡いものだわ
私の涙なんて彼らの涙とは比べもにならない」
ちなみに、
初演時は「その頃、王は罰を受け重い病気にかかっていた」だったのが
再演では「その頃、王は罰を受けたのか重い病気にかかっていた」に変わってた。

09「네 얘기의 결말」
バリ姫の話を聞いたホンリョンは、
「笑わせないで、そんなのが復讐ですって?ただ愛にしがみついてるだけじゃない」
「誰かに愛されたかったのはお前も同じじゃないか。本懐を遂げたならなぜ、お前は未だにここにいる?お前の選択を正解だなんて言うな」
互いに「お前の物語の結末を直視しろ!!結局、最後に笑ったのは誰なのか!!」
バリ姫がこの怒りの勢いでホンリョンの記憶が戻ることを祈って必死なのが伝わってくるシーン
10「홍련」
最後の切り札「薔花がバリ姫に託した手紙」
「내 인생에서 가장 니가 끔찍하......」
手紙の冒頭だけを聞いてホンリョンは姉が自分への恨みつらみを書き連ねていると思い込み
当時のことがフラッシュバックする
いままでホンリョンは自分が姉を守っていたと証言していたが、真実は姉が妹を庇って継母のターゲットになっていた。
姉が犠牲になっているのを知っていてホンリョンは逃げた。
「おんに、お魚さんも涙を流すかしら?」
「もしかしたら、海の水は全部お魚さんの涙かもね」
「おんに、波は打ちつける時痛くないのかな?」
「もしかしたら、波の音はみんな波の悲鳴かもね」
「美しい波の音、神秘的な海の塩」
「私たちの歌(悲鳴や涙)も誰かにとっては美しく神秘的なんだろうか」
姉の嫁ぎ先が決まり継母の所業はどんどんひどくなる。
支度金や結納品などで我が子の財産が減ることになるから。
しかも、娘は二人。
これは憂さ晴らしではないの嫁ぎ先に恥ずかしくないようにしている教育なのよ。と詭弁を言う継母
継母は、私だってかわいそうな女なのよ〜結婚したら目障りな双子がいるんだものって態度なの
紅蓮と対照的
ホンリョンの耳には、姉の「目を閉じ耳を塞いだ賢い子」「黙っていたら愛されると思ってる卑怯な目撃者」が自分を非難する声に聞こえてくる
11「범죄의 기록」
姉の死から1年後
紅蓮が薔花の事件の真相を知ったその日の記憶
真相は弟から易々と聞き出せた。
それはつまり弟は姉の事件を軽く捉えてるってことを示してる。
父に「あれは仕組まれたことだった」って訴えても
「兄弟と言っても男女の差があるのに、弁えず男のすることに口をだすからだ」と逆に姉を非難
これは、冒頭でホンリョンが話してた弟が女の気を引くために双子の母親の形見のノリゲに手をつけて、それを見咎めた姉が弟と口論し事故にあったことを指している。
重ねて、父親は紅蓮を薔花と取り替えて予定通り嫁に出すことにしていると言う。
これがホンリョンが記憶で姉と自分を混濁させたきっかけになってるんだな。
ここぞとばかりに「お前が?太刀で弟を傷つけ父を刺したと言うの?本当に?」と畳み掛けるバリ姫
「そうよ!私がやったの!」
「おまえが一番憤怒している対象はだれだ?!」
「おとうさん!お父さんよ!私があいつらを!」
心の奥底に閉じ込めた記憶を拒絶するホンリョン
12「고풀이」
「薔花がバリ姫に託した手紙」の真実を語るバリ姫
「니가 나를 끔찍하게 사랑했음을 안다고 나도 너를 끔직하게 사랑했다고」
薔花は独り残した紅蓮を案じてバリ姫に妹が来たら手を差し伸べて欲しいと
「愛しい妹よ、私はあなたをものすごく愛しているわ」という手紙を残していたのです。
ホンリョンの魂が三途の河原を彷徨っていた本当の理由は姉を見殺しにした自分が許せなかったから。
真の記憶をとり戻しつつあるホンリョンの魂は、その罪の重みに耐えられず危機を迎えます。
自分をなかったことにして欲しいと懇願する紅蓮。
その姿を見、耐えられずカンリムが「もうこの魂を諦めましょう。このまま씻김を行なってもまた記憶を破壊して自分を殺人者だと言い張るでしょう、そうやって139998回目じゃないですか!このままではこの子は悪鬼になってしまいます。そうなれば手遅れなんですよ!?」
ここで、観客はこの審判がホンリョンのためだけに用意された舞台だと知る。
재판의 시작で(ホンリョンが139998人目の亡霊なんだな)って観客に思わせておいて、実は1番目から139998番目まで全部ホンリョン(と似た魂)のための審判なんだってことが最後にわかる😭
紅蓮がコンバースを履いているもの、時々「아버지」を「아빠」って言ってるのも実は現世の時間では2020年代になっているという暗喩。
いまだに紅蓮のような子供が存在し続けている…
それがわかって開幕前の舞台👇を見ると、このごちゃごちゃ散らかってる状態が139997回目の審判の痕跡だったんだと😭

「この子をこんな苦痛の中に放置しろというの」
「嘘の記憶の中にいる方がこの子には幸せなんですよ?!」
「これのどこが幸せだと言うの」
「私だってこの子を迎えに行った時、こんな結果は望んでませんでした。今、この子を苦しめているのは姫様ですよ」
このやり取りで二人がどんな気持ちでこの審判を続けていたのかわかって号泣
「なぜ、この子を諦めきれないのですか?」
「私と同じだから…」
紅蓮に寄り添って語りかけるバリ姫
「私も私を捨てた人たちに縋りたかった自分が嫌だった。
その苦痛から逃れられず恨めしくて目を逸らした。
でも、それは私たちの過ちではないじゃない?」
「ちがうの。姉さんを見てわたし内心安心したもの、私はまだ安全だって…
こんな醜くみっともない私に耐えられなかった。だから逃げた。」
紅蓮の魂は限界を迎え、悪鬼になる前に消滅の道を選択する
その途中、バリ姫の最後の力を振り絞った歌が聞こえる

13「씻김」
こんなところに繋がれていないでもう行こうって姫の必死な祈りが
重い重い罪悪感であの世とこの世の間に長い長い時間止まっていた紅蓮の心に届きます。
「記憶を壊したかった私と涙で地獄を渡ってきたあなたが
お互いのために泣いてあげてるなんて
あなただって十分に辛かったのに私のために涙を流してくれるの?」
継母いじめの被害者である紅蓮と華々しい親孝行の代表バリ姫が同じ苦しみを抱えお互いを癒し合う
14「사랑하라」
天と地が別れた日 この世の規律が生まれた
愛で生きること お互いを尊び愛すること
我が子たちよ、どうか自分のせいだと思わないで
我が子たちよ、どうか自分を恨まないで自分を尊びて
愛して
自分を恨まないで
自分を愛してあげて
あなたは何の罪もない。
バリ姫が紅蓮を縛ってる縄を解いてあげるころには涙が止まらない。

舞台、衣装、音楽、振り付け、台詞どれ一つとっても無駄のない作品。
これだけ書いても語り足りない!

とんでもなく長くなるからここには月直と日直の活躍は書いてませんが、二人のサポートも完璧👌
何度も観覧させる方は、ぜひ月直と日直の動きにも注目してください!
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